競馬備忘録

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2・3歳重賞で勝てずに賞金を積むリスク

※noteから移動させてきた記事です

 ちょっと気になったのでまとめます。
 自分の出資馬以外のことを書きますが、決して落とす意味はなく、競馬のルールのアヤで稼げる幅が狭まってしまうことへの理解のまとめ。

 2年前、出資馬アバンチュリエと同じ新馬戦に出ていたソリタリオ。

https://db.netkeiba.com/horse/2019105204

 この子はサンデーレーシングのモーリス産駒で、いかにもモーリス産駒らしくてキレは無いけれど押し切る競馬ができそうな子でした。新馬戦ではアバンチュリエが勝ちましたが、ソリタリオは普通に勝ち上がれるだろうなと見守っていたのを覚えています。
 その後3戦目で勝ち上がり、こうやまき賞も勝ちサラっと2歳OPまで上がったので、頓挫し続けるアバンチュリエ出資者としてすごく羨ましく思っていました。ソリタリオはモーリス産駒にしては素直そうな子、気性に問題のあるアバンチュリエとこんな差になってしまうのかと。
 当時、新馬勝ちは嬉しかったですが、長い馬生を思えばゆくゆく活躍できそうなソリタリオがすごく羨ましかったです。

 そして3歳になった年明け、シンザン記念に挑んだソリタリオはマテンロウオリオンの2着、本賞金も積みいよいよ羨ましいなんて言葉で済まないくらい羨ましくなってきました。
 3歳1月の時点で1700万の収得賞金を積みました。1700万の目安ではこの年は皐月には出れないのですが、NHKマイルには確実に出れる収得賞金。モーリス産駒ですし、マイラーを想定してるのであれば十分な賞金額です。
 この年のマイラーは比較的混戦模様、展開次第で何かが起きそうなワクワク感もありました。
 結果ソリタリオはNHKマイル二桁着順になってしまったのですが、それでも記念参加の馬のレベルではなかったと思います。

 ここからが問題でした。
 収得賞金1700万円というのは、OPに分類されます。JRAのクラス分けの規定では1600万以下が3勝クラスとなります。この辺りって昔のクラスの呼び方だったら馴染みある数字ですよね500万下、1000万下、1600万下。
 https://www.jra.go.jp/keiba/rules/class.html

 ソリタリオはシンザン記念2着の実績でOPとなってしまったため、芝の猛者たちと最低でもオープンやリステッドで戦わなければなりません。降級制度が無くなったJRAではあまりにも酷。
 案の定なかなか8着以内に入ることも難しい状況。モーリスの成長力に賭けるしかない、歯がゆいレースが続きました。

 この頃から僕はソリタリオを追うのをやめてしまいました。次々と新馬もデビューしていきますし、ただ出資馬と同じ新馬戦だった子を追い続ける余裕がなくなってきたので。

 それで先日ふと馬柱を眺めてたときにソリタリオの名前を見つけてギョッとしました。
 障害レースの未勝利戦に登録されていました。
 そんなに?!4歳で?!そこまで稼げなくなってしまったのか?!と思ってソリタリオの戦績を見てみると見事に出走手当てばかりの状態に。獲得賞金3637万、シンザン記念以降はほとんど出走手当のみ。サンデーレーシングですし、入厩待ちなどもあるでしょうからレースにもバンバン出てる感じではありません。

 一方勝つのか勝たないのか、そこそこの足踏みをしながら三勝クラスまで上がったアバンチュリエはそこそこ走ってコツコツ賞金を積んで獲得賞金4140万。

 正直、この2頭にレベルの差はほとんど無いと思います。障害レースも落馬があっただけですぐ勝ち上がれると思います。そこで積める賞金は790万、一方もしアバンチュリエが次3勝クラスを勝つことができたら1800万前後の賞金です。
 なかなか、世知辛い世の中です。ソリタリオは3000万募集の馬です、本来なら現段階で5000万は普通に稼げていたと思います。

 この状況を見ていて思ったのは、やはり競馬はクラシックだけでは無いので、どう立ち振る舞っていくのがベストか、なかなか難しいことだなと思います。

 一方、めちゃくちゃ上手く立ち回った子はペリファーニア。エフフォーリアの妹です。

 新馬勝ちしたあと、G2チューリップ賞で3着に入り桜花賞への切符を手に入れます。チューリップ賞の獲得賞金は1300万。
 そして桜花賞で3着に入り3500万獲得。オークスは残念でしたが、デビューからたった3戦で5000万位以上稼いでいるのです。
 その上、彼女の収得賞金は未だに400万。
 彼女、チューリップ賞桜花賞も3着ってのが重要なんですよね。2着だと収得賞金加算されるのですが、賞金額の大きいG1とG2でなおかつ3歳重賞。まだまだ未来があって、5000万以上の賞金があるのにまだ未勝利を勝っただけの獲得賞金は570万とかの馬と一緒に1勝クラス走れるんですよ。先日11月のレースで1勝クラスに出てきた時は目が落ちそうなくらい驚きました。

 もちろんこうなったのもペリファーニアが強いからです。根底にめちゃくちゃ強いってベースがありながら凄まじくお得な展開に回っています。もちろんこのままでは4歳で重賞も出られませんが、この先1勝クラス勝利で700万〜1000万ほど稼ぎ、2勝クラス勝利1400万程度、3勝クラス勝利で1800万前後。特別戦などを選んでいけばもっと積めるでしょう。
 取らぬ狸の皮算用とは言いますが、桜花賞前の調教映像で僕はこの子なポテンシャルの高さに驚いたのです確実に這い上がってくるでしょう。体質さえしっかりしてくれば必ず。

 この子は這い上がってくるだけでもう一億円プレーヤーになるんですよね、そう考えると、すでにOPのソリタリオがどうしてこうなってしまったのかと。
 シンザン記念に果敢に挑戦したことが無駄だったとは思いません、しかしあまりにも「賞金を下級条件で稼ぐチャンス」が無いのは辛い。

 この時期になると出資馬が重賞挑戦だったり、1勝クラスに挑んだり、いろいろモヤモヤすることが増えてきますが、一勝クラスに進むことが必ずしも夢の無い行為では無いということを、忘れないようにここにまとめます。